こんにちは。かんしょくキッチン管理者のぶおです。
どんたく、통닭[トンタク]似てますね。
さて、なんのことでしょう?
どんたくとは、福岡市で毎年5月のゴールデンウィーク時に開催される福岡を代表する伝統的なお祭りで、オランダ語のzondag(日曜日)を由来とします。
韓国語で衣をつけて揚げた鶏肉料理のことを「통닭」[トンタク]といいます。
「통」[トン]とは、丸ごとを意味します。
どんたくと「통닭」[トンタク]、頭の文字が濁るか濁らないかで、全く接点はありませんが、韓国で「통닭」[トンタク]は万人が好むものという点では共通しています。
フライドチキンの有名店KFCは、世界の125の国と地域で約2万店舗ありますが、韓国の個人及びチェーン店を含むフライドチキンを扱うお店は、
なんと
2020年基準で約3万店舗存在します。
有名なケンタッキーより多い。韓国はフライドチキンの国だね。
流行りの料理、オリジナルの飲食店が次々と出店され、この10数年間に外食産業も韓国のここ数十年の間に人々の味覚が多種多様に変化しましたが、「통닭」[トンタク]店は、昔も今も不動の人気です。フライドチキンは韓国人にとって欠かせない食べものです。
では、朝鮮半島でフライドチキンがいつ頃から存在したのでしょうか。
韓国のフライドチキンのルーツを知る手掛かりとして、15世紀の『山家要録』(1450)の調理書の中で、以下の記述があります。
肥鶏一隻 切作二十四五介 | 肥えた鶏一羽を24~25個にぶつ切りにする |
先於鍋内煉油 即下肉 促手飜之 | まず鍋に油を入れて火を通した後、肉を入れて、素早く覆しながら揚げて |
清醤真油 和真末 作汁 和醋供之 | 醤油とゴマ油を小麦粉に交ぜた汁を揚げた鶏に絡めて、酢と一緒に出す) |
今から500年以上前にフライドチキンのような鶏肉を揚げた料理が食されていたことがわかります。
1970年代前半までは、電気オーブンで焼いたローストチキンが主流で、お誕生日や特別なハレの日のごちそうだそうでした。
電気オーブンで焼いたローストチキンの専門店は、数十年前に比べると、あまり見られなくなりました。
しかし、現在でもトラックの後部に電気オーブンを取り付けてローストチキンをリーズナブルな価格で行商する方々もいらっしゃいます。
揚げずに焼いているので、程よく脂が落ちて皮の部分はパリッと、中身はジューシーで、フライドチキンとは異なる食感があります。鶏肉の中には、もち米など具材がたくさん入っています。
1970年代以降、韓国の精肉産業が飛躍的に発展して、国内の各市場でも大釜で鶏を揚げるようになります。
1970年代に入り、림스치킨[リムスチキン]という韓国で国内初のフランチャイズのフライドチキン店が登場しますが、この頃までフライドチキンは鶏を丸ごと一羽揚げたスタイルが主流でした。
鶏一羽を丸ごと油で揚げた「통닭」[トンタク]は、外来語の「후라이드치킨」[フライドゥチキン]の同義語として、現在でも用いられています。
1984年にKFCが韓国にも進出して、現在のように鶏の部位別に揚げたスタイルが普及します。
1980年代に入り、페리카나치킨[ペリカーナチキン]社から、コチュジャンベースの甘辛い양념치킨(ヤンニョムチキン)が登場して、韓国のフライドチキン産業に拍車をかけます。
その後も교촌치킨[キョチョンチキン]社の醤油ベースのフライドチキン
朝鮮半島の中部に位置する忠清道で誕生した파닭[パタk](大量のネギをのせ、甘酸っぱい味のチキン)など、多様なチキン料理が登場します。
次は、닭강정[タkカンジョン]とヤンニョムチキンについてお話しします。
닭강정[タkカンジョン]という見た目がヤンニョムチキンによく似た料理があります。
강정[カンジョン]とは、もち粉をこねて油で揚げて蜂蜜に浸しゴマ、黄粉などをまぶしたお菓子のことをいいます。
ヤンニョムチキンもタkカンジョンも鶏肉を油で揚げてタレを絡める点では同じですが、
ヤンニョムチキンは、味付けフライドチキンであり、骨付きの手羽元など鶏肉のいろんな部位を用います。
ヤンニョムチキンの衣は、ベーキングパウダー、てんぷら粉などを入れて作り、揚げたての鶏肉にタレを絡めて、タレを染み込ませて作るためしっとりした食感です。
一方、タッカンジョンは、骨はすべて除去して小さくカットします。タッカンジョンは、強力粉を使い、水あめを入れているため冷めても、サクサクとした食感が味わえます。
どちらも美味しそう~。
今回は鶏肉料理の「통닭[トンタク]」「닭강정[タkカンジョン]」についてお話ししました。
ぜひ、一度食べてみてください。
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