こんにちは。かんしょくキッチン管理者のぶおです。
今回は鮒(フナ)のお話をします。
皆さんたい焼きは好きですか?
大好きです。
韓国ではたい焼きに似た「フナパン」があるよ。
フナは、コイ科のフナ属に分類される魚類で、汚染された水質でも生息することができ、ユーラシア大陸の河川、湖、貯水池などに広く分布しています。
フナは日本及び朝鮮半島において、古くから親しまれてきた魚類です。
ギンブナ、ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ等、それぞれ見た目がよく似たいくつかの品種がいますが、これらを総称して「フナ」と、よんでいます。
また、フナは雄として生まれても、成長する中でその多くがメスに性転換する魚で、マゴイとニシキゴイなどの雑種もいます。
鮒(フナ)「붕어[プンオ]」名称の由来
日本語 | 韓国語 |
---|---|
鮒(フナ) | 「붕어[プンオ]」 |
鯉(コイ) | 「잉어[インオ]」 |
鯖(サバ) | 「고등어[コドゥンオ」 |
イカ | 「오징어[オジンオ]」 |
『日本語源大辞典』(2005)によると、フナは骨なしの略。煮ると骨が柔らかくなるところからついた名称とされています。
韓国語でフナを「붕어[プンオ]」と、いいます。
漢字では日本語同様「鮒魚」と、表記します。
韓国語の漢字音でそのまま読むと[プオ]ですが、コイを「잉어[インオ]」、サバを「고등어[コドゥンオ]」、イカを「오징어[オジンオ]」と、よぶように「魚」の漢字音が現在では[オ]に近い発音ですが、かつては [ンオ]のような発音だったことが考えられます。
鮒(フナ)「붕어[プンオ]」の効能
古代中国の陰陽五行説によると、一般的に淡水魚は火に属し心臓、小腸の調子を整えますが、
フナに関しては土に属し、膵臓(食べ物を血に変える臓器)や胃を健やかにするといわれています。
鮒(フナ)「붕어[プンオ]」を使った韓国料理
フナは、昆虫、小エビ、ミミズ、植物の種、葉、茎など何でも餌として捕食します。
したがって、調理する時は下ごしらえをきっちりしなければなりません。
フナは、淡水魚独特の土臭さと身が柔らかく崩れやすいため、調理に手間がかかります。
調理後も、骨が多いため好き嫌いが分かれています。
煮込む時も、蒸す時も、フナ独特の生臭さと土臭さを消すには、よく流水で洗い、下味をつけてから調理され、油で揚げることで大量の骨も柔らかくなり、身が崩れにくくなります。
フナを扱った料理には、フナの炭焼き「붕어숯불구이[プンオスップルクイ]」
フナを蒸した「붕어찜[プンオッチム]」
があり、これらの料理は、韓国の山間部の飲食店で扱っています。
日本では、環境汚染により天然ものの鮮度のよいフナが減少したこともあり、あまり食べられなくなっていますが、滋賀県の「鮒寿司」をはじめ、佐賀県のフナのコンブ巻きなどフナ料理は伝承されています。
「鮒寿司」はフナとご飯を発酵させるため、独特の臭いがあり好き嫌いが分かれますが、実は膾や寿司のルーツなのです。
ちなみに「붕어[プンオ]」がつくだけで、フナ料理ではありませんが、タイの形にして餡を入れて焼き型で小麦粉を焼いた和菓子「たい焼き」に似たお菓子が韓国にもありますが、
「붕어빵[プンオッパン]」といい、直訳すると「フナパン」です。
タイ焼きに似てる。
実際にフナをはじめとする淡水魚が、韓国の日常の食卓に頻繁にあがるわけではありませんが、日本で「タイ」が魚類を代表する魚である一方、昔から韓国では「フナ」が身近な魚なのでしょう。
今回は鮒(フナ)についてお話ししました。
韓国では身近な魚です。
韓国へ行かれた際は鮒料理を食べてみてください。
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