こんにちは。かんしょくキッチン管理者のぶおです。
今回は「さつまいも」をテーマにお話しします。
さつまいも名称の由来
日本語 | 韓国語 |
さつまいも | 「고구마[コグマ]」 |
さつまいもは長崎の対馬では「孝行芋」と呼ばれています。
なぜでしょう?
まずはさつまいもの歴史から説明します。
サツマイモの原産地は、中・南米の熱帯地方です。
世界には三千種類以上のサツマイモの品種があるといわれ、日本ではベニアズマ、アヤムラサキ、パープルスイートロードなど数十種類が栽培されています。
紀元前1000年頃のものと推測され、出土された土器にはサツマイモの葉、花、根が画かれていたようです。
15世紀の大航海時代にヨーロッパ各国へ、16世紀に中国へ、日本には琉球国を通じて17世紀に薩摩に入りました。
朝鮮半島には1763年、日本から帰国した朝鮮通信使がサツマイモの種を現在の釜山に送り、栽培及び保存方法を伝え、翌年に済州島でも栽培がはじまったようです。
1763年に朝鮮通信使の一行によって編纂された『海槎日記』の中で、サツマイモのことを孝行麻という名称で記した記録があります。
麻は芋を表していますが、なぜ孝行がついているのかというと、
サツマイモのことを長崎県の韓国に最も近い現在の対馬市の方言で「孝行芋」と呼ばれており、朝鮮通信使には「孝行芋」が「고고모[コゴモ]」と聞こえたのでしょう。
では、なぜサツマイモが孝行芋かというと、
飢饉に苦しんでいた対馬の人々を救うため、陶山納庵という儒学者が薩摩(現在の鹿児島)からサツマイモの種を入手して対馬の地で栽培が成功して、人々の飢えを救ったことが始まりです。
また、子供が病気で弱った父にサツマイモを食べさせて病気が治り、親孝行したことから「孝行芋」と、呼ばれたようです。
へぇー、親孝行したから「孝行芋」なんだ。
サツマイモのことを韓国語の標準語では「고구마[コグマ]」といいますが、現在でも特に朝鮮半島の南部では「고고모[コゴモ]」または「고고마[コゴマ]」という方言が残っています。
朝鮮で19世紀に入ってから発表された『物名考』という書物の中で初めて「고금아[コグマ]」という語形が確認されます。
その後も19世紀から20世紀の初めにかけて同様の名称があらゆる文献から確認され、
1938年に編纂された『朝鮮語辞典』の中で初めて現在の「고구마[コグマ]」が確認されます。
日本、中国、韓国、それぞれサツマイモのことを漢字で「甘藷」と表記しますが、韓国語では「甘藷」を「감저[カmジョ]」と、よみます。
ジャガイモのことを韓国語で「감자[カmジャ]」ですが、昔はサツマイモとジャガイモの呼び方が曖昧だったようです。
その背景には、現在でもサツマイモと呼ばれているものは通常、皮が紅色をした長い形をしていますが、皮が白くて丸い見た目がジャガイモのような品種のサツマイモも栽培されていたため、ジャガイモとサツマイモの呼び方が曖昧になっていたようです。
サツマイモなのにジャガイモのことを「감저[カmジョ]」という名称は「고고모[コゴモ]」同様、朝鮮半島の南部方言に残っています。
さつまいもの効能と保存方法
さつまいもの効能
さつまいもの断面からにじみ出る白い液体は、ヤラピンといい、腸の働きを高め、便秘改善、排便を促す作用があります。
また、ビタミンC、食物繊維、皮の周りにはポリフェノールが豊富に含まれています。
さつまいもの保存方法
保存する際は、低温と乾燥に弱いため、冷蔵庫には入れず新聞紙などで包み暗いところで保存しましょう。
さつまいもを使った韓国料理
韓国でもさつまいもを蒸かして食べますし、鶏肉、キャベツなどをコチュジャンベースの合わせ調味料で蒸し焼きにしたタッカルビには欠かせない具材の一つですし、茹でて潰したものをサラダにしたり、揚げたり、ケーキなど多様な調理方法で食されています。
以前、韓国の居酒屋では注文したメニューが出てくるまでのお通しとして、生のままのサツマイモが出てくることもありました。
さつまいもは昔も今も人々に親しまれている野菜といえます。
本日は「さつまいも」のお話しでした。
日本でも韓国でも昔から愛される「さつまいも」ですね。
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