
こんにちは。運営者のぶおです。
김치[Kimchi]とキムチは、作り方、食べ方、味、発音すべて別物です。
김치[Kimchi]とは、塩漬けした白菜、大根、ネギなどを粉トウガラシ、ニンニクなどの合わせ調味料で和えた後、数日置いて発酵させた料理です。
材料と調理方法によって多くの種類があります。



日本では「キムチ」といいますが、「キムチ」と김치[Kimchi]は、見た目こそ似ていますが、発音、作り方、食べ方、味、すべて異なる料理です。
김치[Kimchi]とキムチ(漬物)の違い
김치[Kimchi]は、塩漬けにした野菜を水で洗い水気を切り、具材と薬味をまぶして漬けます。
粉トウガラシをはじめ、薬味はふんだんに使います。
食べる前に白菜、大根など漬けたものを洗わず、漬け汁ごと味わいます。
漬け汁は他の料理の調味料としても使われます。
一方、キムチ(漬物)は、野菜に塩を振って重石をのせて香辛料は少量、水分を染み出させて漬けます。
漬けて食べる前に野菜を絞ったり、洗ったりしてから食べます。
김치[Kimchi]といえば、白菜にトウガラシやニンニクを使って漬けたものが有名ですが、昔からあるものではありませんでした。
韓国料理では、17世紀までは主に塩、山椒を使っていましたが、18世紀以降少量のトウガラシが食材に使われるようになります。
1766年に朝鮮で刊行された農業書『増補山林経済』の中で김치[Kimchi]にトウガラシが使用された記録が確認され、ニンニク、ネギも18世紀中頃から使われるようになります。
使う野菜は主に大根、キュウリ、ナス、季節の旬の野菜を使って漬けられていました。



僕も使われてたんだね。今でも食べられてるけど。
球根型の白菜は19世紀末、中国から日本及び朝鮮にもたらされ、改良され栽培されます。
19世紀末から20世紀前半にかけて物流が盛んになり、街には野菜を積み重ねた市場が出現します。
トウガラシが入った김치[Kimchi]は、19世紀中頃から朝鮮半島南西地域ではじまり、20世紀前半に全国的に広がります。
18世紀に、トウガラシやニンニクが食材に使われるようになった要因として、以下のことが考えられます。
18世紀に、トウガラシやニンニクが食材に使われるようになった要因




トウガラシやニンニクが食材に使われるようになった要因その①
18世紀中頃、朝鮮の社会構造が大きく変動して、客人に対する接待を強化する必要が生まれます。
味、漬けるための甕の数は家門の自慢でした。
現代で例えるなら、土地、家屋、貴金属、高級車、骨董品など、資産、権勢を誇る格好の道具でした。


トウガラシやニンニクが食材に使われるようになった要因その②
18世紀中頃、当時の朝鮮の総人口の7~8%が伝染病で亡くなりました。
赤いトウガラシは邪気を退散させるという迷信によって、人々は伝染病の恐怖から逃れるために、トウガラシの霊力にすがります。
食べるだけでなく、魔除け、厄除けとしても使われていたようです。
<朝鮮半島地域別の김치[Kimchi]の味>
北部:塩、香辛料などの混合率を少なくしてさっぱりした味が特徴。
中部:塩、香辛料を北部より多く用いて、汁が多いものが特徴。
南部:塩辛、香辛料の量が中部より多く、濃い味が特徴。(漬け始めは濃厚ですが、日にちが経つと発酵も早く進みます。)
自宅で大量に白菜を塩漬けするところから始めると、保存する場所が限られますし、大量に作ってしまうと他人に分ける、商売でもしない限り、消費にも困ります。



今回は家庭でも楽に作れる「막김치[MakKimchi]」の作り方をご紹介いたします。
「막[Mak]」とは、韓国語で「今すぐ、むやみに、選ばずに」を表します。
ここでは、「すぐ、手軽に作れる」という意味で解釈してください。
막김치[MakKimchi]」の作り方
<材料>
白菜1/2個 | 大根1/3本 | 大ネギ2本 |
タマネギ1/3個 | 塩100g | 水100ml |
<糊> 糊を加えることで合わせやすくなり、発酵を促します。
水60ml | 白玉粉20g |
<ヤンニョム(合わせ調味料)>
粉トウガラシ100g~120g | おろしにんにく90g |
おろししょうが 大さじ1(15g) | 白だし50ml |
砂糖 大さじ2 | はちみつ 大さじ1 |
アミの塩辛90g | 乾燥昆布1枚 |
<作り方>
- ① 白菜1/2個の芯をカットして、2等分にして2~3㎝間隔に切ります。
- ② 大根、タマネギの皮を剥いて細切りに、大ネギも斜めに細切りにします。
- ③ カットした白菜と大根に塩100gと水100mlを入れてよく混ぜます。
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2時間ほど塩漬けしますが、途中、数十分ごとにかき混ぜます。
- ④ 2時間ほど塩漬けした白菜と大根は、お米を研ぐように水を入れ替えて3回ほどすすぎます。
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塩漬けした白菜を味見してみて、塩気が少なければもう少し塩を加えてもいいでしょう。
多少、しょっぱく感じる程度にします。
- ⑤ 鍋に水60ml注ぎ加熱して、白玉粉20gを入れて、よくかき混ぜて糊状にします。
- ⑥ 糊状にしたものを冷まします。冷めてから粉トウガラシ100gを入れて混ぜます。
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この時点で冷ました糊に粉トウガラシを入れることで鮮明な紅色が良くなり、見た目がよくなります。
- ⑦ ⑥の(冷ました糊と粉唐辛子を混ぜたもの)に、おろしにんにく90g、おろししょうが大さじ1、白だし50ml、砂糖大さじ2、はちみつ大さじ1、アミの塩辛90g、刻んだネギとタマネギを入れて、すべての具材が同じ色になるまでよく混ぜます。
⑧ ヤンニョム(合わせ調味料)を塩漬けした白菜と大根に少しずつ和えていきます。-
最初から、ヤンニョム(合わせ調味料)を塩漬けした白菜の中にすべて入れてしまわずに、少しずつ和えていくことで味を調整しやすくなります。
この時点で味見しても構いませんが、一日、二日と時間の経過と共に熟成され発酵が進み、栄養価も増します。お好みに合わせて召し上がってください。
- ⑨ 具材が収まる容器を用意して、容器に具材を詰め込みます。その上から乾燥した昆布をのせて蓋を被せます。
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冬場であればキッチンの下など暗い所において発酵させます。



酸味が強いものを好む方はそのまま食べても構いませんが、酸っぱく感じた時は、炒めたり、豆腐やシーチキン、豚肉などと一緒に煮込んだりすると、また異なる味を楽しめます。
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